東部の街・フェルガナ コーカンドで裏側から見るウズベキスタンの結婚式

親戚との繋がりが非常に強いウズベキスタンの家族。

祝日やお祝いごとがあれば必ず家族で集まりみんなでお祝いします。

特に、ウズベク人たちにとって一番のお祝いごとは結婚式!

結婚式では親戚中から人たちが集まり、みんなで踊り、新婦と新郎を盛大に祝います。

最近は結婚式場での結婚も増えていますが、今回はウズベキスタンの東の街・コーカンドで、実際の民家で行う伝統的な結婚式に参加してきました。

今回はその時の様子をお届けします!

ウズベク人最大の幸せ ウズベキスタンの結婚

ウズベキスタンでは女性も男性も結婚をすることが最も幸せなことだと考えられています。

街にも田舎にも、結婚式のドレスが売られていて、結婚式場も多くあります。

女性たちは若いうちに結婚するのが推奨されているので、20歳を越え、年頃になったころお見合いが始まります。

ウズベキスタンのお見合いは日本と少し違います。

男性が親と一緒に女の子の実家にあいさつし、女の子の両親があいさつしにきた男性の中から結婚相手を選びます。

娘を持つ家にはお見合いにたくさんの来客が来るので対応も大変なんだとか。

ウズベキスタンには来客をもてなす文化があるので、何度もお見合い相手が来ると両親も毎回おもてなししなければならないので、それもあってか早く娘に結婚するよう頼むそうです。

婚約が決まったら、結婚式の前に結納のような事前の婚約式を行い、少し経ってから、メインの結婚式が行われます!

ウズベキスタンの東の街 フェルガナ州のコーカンド

タシケントから電車で東に4時間~5時間進むとたどり着くコーカンド。

フェルガナ州の市の1つです。

フェルガナ州はキルギス、タジキスタンの間に位置し、山や湖など自然が豊富です。

漢の武帝が汗血馬を求めてフェルガナまで遠征したことで記憶している方も多いのではないでしょうか。

観光地としては19世紀後半のコーカンド・ハン国時代に建てられたフダヤル・ハン宮殿が有名です。

フダヤル・ハン宮殿はロシア占領時代に破壊されてしまい今は修復され博物館となっています。

あまり観光客の訪れにくい場所ですが、近隣の街マルギランではアドラス、アトラスと言われるファブリックが、リシタンでは特別な材料を使った陶器が職人の手によってつくられているため、一緒に訪れる方が多いです。

炭火で焼き上げるシャシリクの夕食

タシケントから3時間ほど車を走らせ、フェルガナ州に入りました。

山や湖などの自然が豊富で空気がとてもきれいです。

水が多いためか生い茂った緑が印象的。

自然の中を走っていると現れたシャシリク屋さん。 ここで夕食をいただきます。

店の中にはお客さんでいっぱいで、現地の方に人気な様子。

トマトとキュウリのサラダ・アッチクチュチュク、ひき肉を固めて焼くキーマシャシリク、牛肉のシャシリクをいただきます。

アッチクチュチュクはバジルがトッピングされていてさわやかな味わい。

シャシリクはお酢とタマネギと合わせて食べます。

ひき肉のシャシリクはとっても柔らかくスパイスは控えめ。 おいしいシャシリクを食べた後、出発します。

ノンやクルト、ハルヴァなど見どころいっぱいのウズベキスタンのサービスエリア

ウズベキスタンのサービスエリアには中央アジアならではの物がたくさん置いてあます。

中央アジア食文化を代表するノン、カッテージチーズを乾燥させて作ったクルト、砂糖、油、小麦粉を練り固めた甘いお菓子ハルヴァなどがメイン。

電車での移動ではサービスエリアに立ち寄ることができないので、車移動の醍醐味です。

ハルヴァの名産地として特に有名なコーカンド。

手作りのハルヴァがたくさん売られています。

コーカンドハルヴァは丸い形が最もポピュラー。

サマルカンドのバザールでも買うことができますよ。

ウズベキスタンの国民主食・ノンの売り場は国内のサービスエリアの中でも最大級の大きさのコーカンド。

地域によって違いのあるノンを買うことはウズベク人の旅の楽しみの1つ。

ノンといえばサマルカンドのずっしりと重みのあるノンが有名ですが、コーカンドのノンも個性的な形をしています。

コーカンドノンは。大きく平べったいビスケットのような生地に刻まれた文字が特徴。

ノーマルタイプのノンももちろんあります。

ノーマルタイプのノンはどこで食べるノンよりもふっくらと柔らかいんです!

最も日本人好みの味ではないかと思われます。

結婚式のために、20個のコーカンドノンを買っていきました。

伝統的なコーカンドの民家

タシケントから5時間でコーカンドの花嫁の実家に着きました。

結婚式の会場にもなっています。

家の中心に庭があるウズベキスタンの伝統的なお家。

とっても広く、いろんな作物が育てられています。

結婚式の始まり

朝も早く、なんと3時から親戚たちが集まり始めました。

5時ごろにはお客さんがやってくるのでお嫁さん側の親戚たちがお皿、料理などを一生懸命用意します。

大量の食器はお祝い事にレンタルするそうです。

割ってしまうと大変なので、丁寧に運びます。

普段料理を作るのは女性の仕事ですが、お祝い事やお祭りごとがあるときは男性がプロフを作ります。このあと、1日でプロフを4回食べることになります。

女性たちもスープ料理を作ります。

今日は羊の油で作ったシュルパを作っています。羊の油を使っていますが、臭みはまったくなくとっても美味しいスープでした。

早朝も5時から男性たちが集まり始めました。

金属製トランペットのKarnayや太鼓などで盛大にお客様たちを歓迎します。

お客たちがたくさん集まりだすものの、主役はまだ現れず。

1時間ほどして男性たちは帰り、大急ぎでお片付け。

次は女性たちがやってくるので、片付けてまたお皿などを洗って出します。

裏では引き出物の準備が。

ノンでお菓子を挟んで、アドラスの風呂敷に挟んでいます。

こちらはイスラム教のお坊さんに渡すためのもの。

立派なコーカンドノンでお菓子を挟み、アドラスで包みます。

お祝いに来てくれたお客さんたちにもサムサやマンティ、小さい焼き菓子などを包んで渡します。

筆者にもどんどん仕事が渡され、お客さんたちに出すフルーツ・アソートを1つずつ細かく切り、盛り付けます。

こだわりが強いウズベク人の監修のもと、りんご、なし、オレンジ、バナナのアソートを作っていきます。

アメリカンチェリーやいちごなど他のフルーツも盛りだくさん。

ウズベキスタンではフルーツをたくさん栽培しているのでリーズナブルな価格で手に入りやすく、結婚式などでも盛大に振る舞われます。

準備をしていると荷台いっぱいに積まれた出来立てのノンがやってきました。

こちらは地域特有のコーカンドノンではなく、ウズベキスタンで広く食べられるノーマルタイプのノン。

ですが、コーカンドのノーマルノンは時間がたっても中がもっちりと柔らかいんです。

お客さんたちの机に食べ物が並べられ始めます。

平べったいこのパンはカトゥラマといい、層になっている生地のパン。

なんとも言えないやさしい甘味が特徴。

カトゥとは層のことで、ラマとは生地を意味します。

普段食べない特別な食べ物なのですぐになくなってしまうとのこと。

10時ごろ女性たちもやってきました。

プロの歌手やウズベキスタンの伝統太鼓ドイラの奏者、ドラム奏者なども新郎新婦をお祝いします。

会場が温まったころ、新郎が男友達と入場し、とうとう本格的な式が始まりました。

新婦の待つ部屋まで向かいに行き、そろった二人の写真撮影のあと新郎新婦に用意されたメイン席に座ります。 そしてようやく式のメインパ―トが始まります。

バンド演奏や生歌で盛大に祝い踊る ウズベキスタン 結婚式のメインパート

最初に花嫁の母親がスピーチをし、ゲストたちはお金を母親に渡していきます。

お金は式で用意したものなので、実際の物ではありません。

親戚たちが会場の中央に行き新しい夫婦を祝うスピーチをし、流れた曲に合わせて踊ります。

踊った人たちは式のスタッフからお金をもらい、新郎新婦の両親などにお金を渡していきます。

アドラスが配られ、手に持ったり腕にまいたりしています。

実際は腰に巻きますが、今回は丈が短いので巻けるところに巻きました。

皆がスピーチで新郎新婦を祝い、踊ったあと、夕方ごろにお客たちは帰っていきました。

まだまだ終わらない結婚式

今度は夫の家で結婚式の続きをします。

妻側のゲストたちは乗り合いタクシーや親戚の車で新郎の家へと向かいます。

新郎は入場早々踊りはじめ、あまりの盛り上がりに休ませてもらえず、20分ほど踊ることとなりました。

その後、新郎の祖母や母親のスピーチのあと、参加者たちはひたすら踊り続けました。

時間にして2時間ほど、夕方から暗くなるまで一度も止まることなく踊っていました。

まとめ

ウズベキスタンの一番のお祝いである結婚式の一日を裏側からご紹介させていただきました。

親戚一同が一丸となって準備する様子を見ていると、親戚同士の強い繋がりや結婚式にかける現地の方の情熱が伝わりますね。

ウズベク人のお客を心からもてなす文化や、ダンスで思いきり宴を楽しむ文化を体験できる結婚式。

みなさんもウズベキスタン滞在中に遭遇するかもしれません。

招かれたときはぜひ参加し、ウズベキスタンの伝統行事を楽しみましょう!

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